236 月
土壌の状態について確認をします。
アスベストと共に環境関連で問題になっているのが土壌汚染です。10年前まではほとんどノーマークだったこの事項も、今はマンション建設前のデベロッパーの必須調査項目です。
まずは周囲に町工場などが目立ったら土「地」の「歴」史である「地歴」を仲介業者等に調べてもらいましょう。都内にお住まいでしたら自分で国立国会図書館に行ってゼンリン住宅地図の最も古いもの(50年前くらい)を出してもらい、当該地に何が建っていたか確認してみましょう。普通の民家ならOKですがガソリンスタンドや工場らしき名前があったら注意しましょう。10万円~15万円で専門業者が地歴報告書を作成してくれますのではっきり分からない時は買い付け後に依頼してみましょう。
更に注意したいのが横に小さなガソリンスタンドがある時。当該地寄りの地中にガソリンタンクが設置されていると地中で油が漏れて「もらい土壌汚染」の可能性もあります。土壌汚染が疑われた時は実際に現地調査しますが、所有権移転前に実施することは難しいので、条件交渉の一つにしましょう。建物が建っている以上、土壌汚染に対する対処は建て替えする時になりますが、未来のリスク回避(更地売却時など)として重要です。
236 月
築20年近い物件を購入すると、必ずポイントになるのは「修繕にいくらかかるか?」です。買ったとたんに数千万円に及ぶ修繕費が必要になって真っ青になってもあとの祭りです。建物の耐久性について基本から確認しましょう。
まず検査済み証はあるか?(エレベーターがあればエレベーターの検査済み証も)、新耐震か?設計・施工会社はどこか?・・・重大な問題がありそうであれば疑いましょう。また、物件によってはエンジニアリングレポート(ER:Engineering Report)があるかもしれないので、その存在有無と内容も確認します。
現在の管理状態はどうか?を把握します。
過去に競売にかかって管理を怠っているような疑いはないか?現在の所有者が不動産業者などであれば修繕履歴、点検履歴やがあるはずなので出してもらいましょう。
10~15年を目安に大規模修繕が必要なので何もやっていなかったら要注意。特に陸屋根であれば屋上防水、スレート屋根であれば葺き替えか塗り替え、瓦屋根なら下地補修が必要。外壁もタイルなら洗浄や不陸調整、サイディングであれば目地補修、モルタル吹き付けなら塗り替えが必要になります。また、給湯器なども15年を超えると壊れ始めるので注意が必要です。
売主さんが個人だと何もやっていないケースや、修繕履歴など作っていないケースがほとんどなので、内覧にて自分の目で確認しましょう。築20年を超える物件だったらアスベスト(石綿)使用の有無も確認しましょう。鉄骨構造の際の耐火被覆や外装吹き付け、断熱材や内装ボード(天井材等)などに使用されている可能性があります。売主がアスベスト有無について分からないようでしたら、施工図面の仕様書や請負契約書の見積もり内容を入手し、建材名をチェックして建材メーカーや国土交通省のホームページで確認してみましょう。
この見極めは難しいので、疑いがあれば買い付け後に建築士や解体業者に依頼して調査してもらいましょう。もしアスベスト使用が判明したら解体する時に割高になり、アスベスト飛散があると健康被害が出るかもしれないのでリスクを見込んでおくことが必要になります。
236 月
積算価格とは不動産を今現在の価値で評価したものです。金融機関が融資をする際に使われる評価の一つで原価法とも言われます。もう一つ金融機関が評価する方法で収益還元法がありますが一般的には積算価格の方が低く、厳しい価格になってきます。融資引き締めなどの局面では積算価格が用いられ、不動産融資に積極的な局面では収益還元評価というように使い分けられているようです。
積算価格は土地に関しては路線価相当が基準になります。難しいのは建物で、新築なら工事請負額の見積相当ですが、築10年経った建物なら10年分、耐用年数に基づき減価修正して算出します。建築費というのは時代によって上下変動しますしグレードにも左右されるので例えば20戸規模のマンションでも坪単価60万円~120万円と適正価格は判断しにくいものです。特に世界的インフレの昨今では建築費は高騰しており坪100万円は超えてしまうでしょう。建築費が高い時期に建てたからと言って10年後に坪100万円からの減価修正で見てくれるとは限りません。
バブル期に高い値段で建ててしまった地主さんも売ろうと思ったら建物の評価の低さにびっくりしたという話もあります。グレードにもよりますが坪70万円~80万円位から減価修正して計算されているようです(金融機関ごとに評価は異なるため、お付き合いのある金融機関のご担当者様にご確認ください)。当然、耐用年数を超えると建物評価はゼロになり、むしろ解体・建て替え初期費用を見込んで土地の路線価の70%位に評価されてしまいます。しかしあくまでも金融機関の融資評価が厳しくなるだけなのでキャッシュを入れて物件を有利に取得することも考えられます。
236 月
路線価は国税庁のホームページにアクセスして路線価図(「財産評価基準書」http://www.rosenka.nta.go.jp)をクリックすると誰でも閲覧、印刷できます。
地図の道路上に評価が記載されており、それに土地面積を掛けて土地の評価額の目安にします。しかし単純に計算するだけではいけません。土地の形によって評価は変わってしまうので奥行価格補正、二方路線影響加算、間口狭小補正などの加減をして算出します。
詳しい算出方法は国税庁のホームページをご参照ください。
路線価相当額でしっかりした建物が付いていたらお得だと分かります。
236 月
固定資産税評価を取り寄せましょう。今後の所有権移転登記費用なども割り出せますし、物件評価の目安にもなります。
また、売買金額が税込みで土地、建物按分と消費税相当額が明らかでない時は課税評価の比率で検討を付けることもできます。消費税の還付を受けられる場合は確認しましょう。また、固定資産税・都市計画税額そのものも毎年の支出に関係するのでチェックしましょう。税額が出ていなければ課税明細書をもらいましょう。
236 月
謄本は不動産の履歴書のようなもの。そこからは様々な情報が把握できます。
所有が信託銀行になっていて信託受益権化されていると分かります(受益権なら比較的、遵法性は問題ない・・・でも所有権に戻してくれるの?という疑問もあります)。
建物であれば誰が建てているのか?信頼できる大手デベロッパー?今は亡き工務店?個人が有効活用で建てたのか?・・・所有者経歴の中で差し押さえられて競売にかかっていないか?その間、管理や点検はきちんとされていたか?・・・売主が転売目的で買った業者の場合、抵当権設定からもうすぐ1年だと融資の償還期限が迫っているかも知れません。リファイナンスできないから条件交渉が有利かも?買い付け希望額が抵当額を下回りそうだったら抵当が外せるか?(追い銭が必要になるはずなのでキャッシュがないと売主は売りたくても売れないかも?)・・・イマジネーション(多角度からの想像)を働かせてそこから情報を読み取りましょう。耳慣れない事柄や言葉についてはどんどん質問しましょう。
236 月
本格的に検討するのであれば詳細資料を取り寄せましょう。賃貸借契約書等、資料によっては秘密保持誓約書(CA:Confidential Agreement)の提出を求められることもあります。また、質問があれば質問状として名前と住所と捺印をしたものを提出するときちんとした買主候補者であることをアピールできます(資料だけ欲しいという方も多いので差別化できます)。ここで仲介業者から資料が出てこないと、売主との距離が遠い(グリップ度が薄い)ことも疑われます。誠実かつスピーディーな対応ができるか確認しましょう。
236 月
物件情報から読み取った疑問や質問は窓口不動産会社に聞きましょう(売主あるいは仲介業者)。もし対応が悪いようでしたら検討そのものも考え直す必要があるかもしれません。
物件の出会いの縁は担当者の縁。この先、この人と条件交渉なんて先が思いやられるなと思ったら担当者を変えてもらうことを申し出ましょう。どうしても欲しいのに対応してくれないのは大変ストレスが溜まるものです。また、窓口業者が仲介業者の時は売主までの距離感(グリップ度)を把握しておきましょう。
共同仲介の場合は売主まで複数の業者を介していて、ひどい場合には売主を知らない、すでに売却終了していたということもあったりします。そんな相手と話しても物件購入はできません。当然、共同仲介が悪いという意味ではなく、そのルートで交渉がスムーズに進むかが問題なので(売主と直接の業者でも売主の真意が掴めていなくてはダメ)、話に具体性が欠けている時は疑った方がいいかもしれません。一例としてはFAXをさらにFAXしたような粗い資料に根拠のない値下げ額で興味をそそってくるような業者はいい加減であることも多く、そのルートではいくら努力しても交渉が進まないおそれもあります。収益物件や大きな不動産の取引実績のない仲介業者もトラブルになりやすいので信頼できる仲介業者と付き合っておくことをお薦めします。
236 月
部屋のタイプについて考慮します。
例えば大学生が多い地域であれば、ワンルームで賃料設定が5~6万くらいなら問題ありませんが、家賃設定が高いなど学生ターゲットなのにファミリータイプ構成比率が多い場合は気を付けましょう。後者は自治体の指導要綱や条例でワンルームオンリーの賃貸マンションが規制された結果、デベロッパーが止む無く大きめの部屋をつくってしまったパターンと言えます(自治体としては税収源にならない学生が多く住むことやゴミ出しなどルールを守らないことが多いワンルーム入居者が増えることを抑えようとしているためです)。
また空きが多い駐車場がたくさんあったりする時は、入居者以外の外部から借り手が付きそうか確認しましょう。学生向けマンションに全戸駐車場があっても入居者だけで埋めることはまず無理です。また、空きの多い駐車場がタワーパーキング(機械式駐車場)であると維持費、補修費に莫大な費用ばかりがかかる「お荷物」になるおそれがありますので注意が必要です。さらに店舗、事務所混合構成の時も店舗需要等があるか判断しましょう。テナントイメージが限られる場合は周辺の出店状況は要チェックです。
236 月
周辺の賃料相場をよく調べましょう。最近はインターネットでも簡単に調べられます。同じ間取りや広さでも設備(オートロックの有無やお風呂、洗面、トイレの3点ユニットであるか否か)の違いで賃料は上下するので検討物件と条件はできるだけ揃えます。相場よりかなり高い場合はそれだけの付加価値があるか注意します。場合によってはフリーレントの可能性もあるので確認してみましょう。
本来のポテンシャルを逸脱していると二度とその賃料では入居者が入らないかもしれません。また、モダンタイプやユニークなコンセプトものも流行が変わると時代遅れ物件として人気がなくなり、改装する必要が出るかもしれないのでこれも見極めが必要です(そもそも相場より高い賃料設定は物件が古くなるにつれて賃料を下げざるを得なくなることを頭に入れましょう)。
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